巧海のピンチとオーファンの出現。目的の違う鴇羽舞衣(ときは・まい)と玖我なつき(くが・なつき)のふたりであったが、学園の裏山へ急ぐ。そして、彼女たちはオーファンに襲われ、心臓発作で倒れている巧海を発見する。舞衣は危険をかえりみず、彼のそばへ駆け寄るが、彼女にも危険が迫ってしまう。
しかし、その瞬間、光の炎に包まれ、舞衣は「HiME」へと覚醒を遂げるのである。腕と脚にはHiMEの証であるエレメントが、そして回転するエレメントからは炎が舞っていた。だが、舞衣はそんな自分の姿に呆然とするだけ、エレメントを使うどころの話ではなく、巧海を守るために、オーファンの攻撃から逃げるのがやっとの状態であった。
一方、舞衣の部屋から飛び出していった美袋命(みなぎ・みこと)も、オーファンの存在を嗅ぎつけ、舞衣たちのいる裏山に合流する。襲い掛かるオーファンに対し、なつきと命は応戦するが、攻撃はことごとく跳ね返されてしまう。そして、その矛先は再度舞衣に向く。恐怖する舞衣であったが、この戦いの場に居合わせた白い髪の少年・炎凪(ほむら・なぎ)によって、このピンチを助けてくれる守り神の存在を知らされるのである。
「炎の竜・カグツチ」。これが舞衣の守り神(チャイルド)であった。凪は、封印の剣を抜き、舞衣にカグツチを受け入れることを促す。だがそれは、彼女がHiMEとしてオーファンと戦い続けること、自分の一番大切なものを賭けるというリスクを背負わなくはならないのである。しかし彼女は巧海を守るために、剣を抜くことを決意するのであった。
封印を解かれたカグツチは、舞衣の前に真の姿を現す。そしてカグツチがオーファンに向けて炎を吐き出すと、その炎はオーファンもろとも学園の裏山の一部を焼き尽くし、戦いはあっけなく終わりを告げた。
次の日、なぜか理事長室に呼び出される舞衣。理事長が年端もいかない少女・風花真白(かざはな・ましろ)であることや昨日のオーファンとの一件を知っていることにもびっくりしたが、それ以上に舞衣がHiMEであるために、奨学金で学園に受け入れたという真実に彼女は驚きと怒りを隠せなかったのである。
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