スペシャル:コラム

SPECIAL:COLUMN

2019.11.15
『星界の戦旗Ⅱ』ドラマCDボックス(2006年)収録
ラフィール×ジント×エクリュア鼎談を再掲載!

ジント:今井由香

ラフィール:川澄綾子

エクリュア:清水香里

 

戦旗Ⅱボックスの新録の断章が『童友』書き下ろしの断章が『童戯』とエクリュアづくしになりましたので今回はこのメンバーでお願いしました。

 

学校の制服で現場に来てました

 

今井

じゃ、まず、出会った当初のことから。

香里ちゃんとは『戦旗』で初めましてだったけど、私からすると、美穂ちゃんもそうだし、みつきちゃんもそうなんだけど、女性陣が年下ばかりで一番下が、川澄ちゃん。

若いなぁと思っていたら、もっと若い香里ちゃんがやってきた。

「…なに?制服かぁ?」みたいな(笑)

 

清水

あははは。そうですよね。

 

今井

戦旗も、紋章と一緒でラジオドラマからのスタートだったけど、エクリュアの設定とか性格とかだいぶ難しそう、どういう風にこのコは演じるんだろって。

なんだか、お姉さんとしては、自分のことを棚にあげてでも、見守ってた感じがだった。

 

清水

うふふふふ。

 

今井

まぁ、いまとなってはピッタリって感じなんじゃないかなと。

 

清水

よかった。

 

川澄

大塚明夫さんが『撃つ』がお気に入りだったねぇ(笑)

 

清水

明夫さんはもう、会うたんびに『撃つ』って言われてて。

一番最初にやったときは、すごい難しい話だなと思ったし、まだ高校生だったので、あんまり深く考えないで、ハキハキ会話するよりは、ボソボソ言ってくタイプなのかなぁ、ぐらいで、演じてて。自分が歳をとってやっていくごとに、ドンドン苦労していくっていうか。

 

川澄

うふふふふ。

 

清水

高校生のときは、もうなんとなく、出たまんまの声でやってて、ハタチも過ぎて、二十二になっちゃったので…

 

今井

うーん。

 

川澄

うふふふふ。

 

清水

あのころは、学校があるから帰りなさいとか言ってもらって、先に出してもらってたりしてたんですよね。

 

 

今井

ああ、そうでした。

 

川澄

わたしはね、香里ちゃんが来たのにビックリした。

知ってたじゃない、香里ちゃんのこと。

 

清水

はい。

 

川澄

香里ちゃんの前の作品で知ってて、しかも、お姉ちゃん役だったもんね。

 

清水

はい。

 

川澄

あのときは、ほんとに、初アニメだったよね?

 

清水

初アニメでした。

 

川澄

まさに、清水香里のそのまんまでって感じの役で、で、その香里ちゃんがエクリュアだっていうので、あれとは違うし、こっちはもう、世界観も、物凄い…なんだろう、あちらは現実っぽいような話だったけど、こっちがわはガチガチのSFで、セリフも難しいし。由香さんじゃないけど、お姉ちゃんな感じで見守るみたいな(笑)

 

清水

うん。

 

川澄

あのとき十四歳だったもんね。

 

清水

そうですね。

 

川澄

だけど、エクリュアのキャラとか、設定とか見て、ああピッタリだなと思って。

 

清水

『星界の戦旗』に入ったときが、SFっていうものをやるのが初めてだったんです。

 

今井

そうかぁ~。

 

清水

子役をやってるときも、ドラマとかでも、そういうSFモノをやったことがなかったし、アニメでも、ほんとに『星界の戦旗』は3~4本目?くらいだったんで。

うわー! どうしよう、台本が読めない!ってまず思って(笑)。

 

今井

ああ、そうだよねぇ。

 

清水

漢字がわからないし。でも、みんなすごい、ハキハキ!ってしてて、すごいかっこいいし、どうしよう! って、結構最初のうちは正直、泣きそうでした。(笑)

 

今井

おおおお。

 

清水

いま思い返すと(笑)

 

今井

でも、わたしが高校生のときなら、無理かもしれない。

 

川澄

堂々としてたよ。

 

清水

でも、ずぅっとビクビク、ビクビクしてた(笑)。

間違えられない、どうしよう、あう、あああみたいな。

 

今井、川澄

(笑)。

 

清水

いっぱいいっぱいでしたね。

 

今井

いやーでも、お互いに若いパワーを、いや、まああのときはまだ私も若かったけど。

 

一同

(笑)

 

今井

パワーをもらったり、上には上が、明夫さんとか居たので、すごくいろんな意味で成長できた現場だったなと。

 

川澄、清水。

うーん(深く同意)

 

川澄

『戦旗』で初めてレギュラー陣って感じになったから。

『紋章』のときは、レギュラーが、由香さんと私だけみたいな状態だったから。『戦旗』になってこのみんなで《バースロイル》を操って戦っていくんだ、って感じで。明夫さんが加わって、みつきさんが加わって、そこに、ポツーンと、私ここに居ていいの?みたいに思ってた。

 

今井、清水

(笑)

 

川澄

エクリュアっていうか、香里ちゃんがいて…。

 

清水

(笑)。はい。

 

川澄

すごいバランスはとれてたなぁと思うし。

みんなピッタリだったなあって。

 

今井

そうだねぇ。

 

川澄

『戦旗』は、新たなスタートって感じがしたので、この仲間とやっていくんだって感じがして、みんなに助けてもらってる感じはしましたね。新米艦長としては。

 

今井

むふむふむふ。(笑)

 

清水

(笑)。

 

 

ジントとラフィールとエクリュアは三角関係?

 

川澄

『戦旗Ⅱ』でもそうだけど、『戦旗』のラストの方でもあったよね、ジントの心配してるエクリュアってシーン。

 

今井

周りだけが、騒いでて。とうの二人は、そんなに気にしてない。

 

清水

(笑)

 

川澄

気にしてないです。

 

清水

うん。

 

今井

ジント的には、もうどうしていいのやら。

すごい、「なんなんだよ!」みたいな。

 

川澄

でもさ、エクリュアはさ「~と言ったらうれしい」みたいな、思わせぶりなこと言うし。

 

清水

そう。

 

川澄

ああ、でもジントじゃなくても、言うんだああいうことって、『童友』を読んで思いましたね。

 

今井、清水

(笑)

 

清水

ここまで長くエクリュアをやってきて、ジントのことがやっぱり気になるけど、でも好きとかとは違う、なんだか気になるくらいの感情なのかなって思ってたら、『童友』を読んだら、あ、違うんだ! こーゆーコなんだっていうのがわかりましたね(笑)

 

川澄

ジントに対する感情は、もちろん恋愛ではないと私は思うのね。全然。ただ、最初は、この人、髪の毛、青くないし、変な顔なのに、偉そうっていうか、そういう感じなのかなって。

 

今井

…変な顔(笑いながら)。

 

川澄

ああ、なんて言ったららいいんだろう、目も違うし、地上人だし。

 

今井

正直な気持ちだね、いまのがジントに対する。変な顔(笑)。

 

一同

(笑)

 

川澄

まぁ、アーヴと違う珍しい生き物だから、子供が、「なんだなんだこれ、えい!」

 

清水

「つっついちゃえ!」みたいな(笑)。

 

今井

ディアーホと同じような接し方なんだよね。

 

清水

そうそうそう(笑)。

 

川澄

それそれ。

それだったんだけどね、まぁ、あんな大変なことになれば、情も湧くっていうか。

 

今井

でも、今でも、エクリュアと絡むのは、絡みヅライ!

 

一同

爆笑

 

今井

なんだか、ひとつ間に置いてる感じする。

 

清水

ああ、うん。

 

川澄

ジントって、人の感情とかに敏感というか、ちょっと臆病というか、気遣いがあるというか、人の一挙手一投足が気になって、ああ、ちょっと言い過ぎちゃったかなというのがある人だから、余計ね。

 

今井

ああ、そうかもしれない。

 

川澄

あたし、全然気になんないのね。エクリュアなんて全然絡みづらくない。

 

清水

あははははは。

 

川澄

『撃つがよい』

 

清水

『撃つ』

 

一同

(笑)

 

川澄

(笑)。ある意味似たもの同士なんだよね。

 

清水

ああ、そうかも。

 

川澄

わが道を行くって感じの二人?

 

今井

うーん(納得)。

 

 

エクリュアってどんなコ?

 

清水

それは、昔はそんなに考えなくて、エクリュアはこういうコなんだって考えて決めてて、芝居してて。でもやっぱり、歳とって…

 

今井

歳とって?

 

清水

あはははは。

いろいろ役のこととか考えるようになってきたときに、

ジントの扱いを考えると、なんだか申し訳なくなってくる。

 

一同

(笑)

 

清水

「だぁいじょうぶなのかな? これ会話として」みたいな心配が。

 

今井

ああ、なんだろうねぇ。

 

川澄

わざとやってるのかね?

 

今井

難しい役だよね。

 

清水

ジントの上官になったからますます。

 

今井

(笑)

ジントも対応に困ってる感じなんだけど、本番でドモリすぎちゃった。

 

一同

爆笑

 

今井

やばい、ここまでじゃないって思って、やり直して。

もう、関係としては。上官と部下。

 

清水

一応、ジントたちより年上ですし。

意外にね。

 

川澄

ラフィールよりも上だもんね。

 

今井

酷い目にも合わされてるし。

 

清水

うふふふ。

 

今井

一緒に、カリークに乗ったとき。

 

川澄

あれは、絶対にほんとに、わが道を行くコだよねぇ。

 

清水

色々と、みなさまにはご迷惑をおかけして(笑)

 

今井

いいよねぇ、あぁんなに、素直に、なんでも言いたいこと言って。

 

川澄

どんな育ち方をしたんだろうね(笑)。

 

清水

ほんとに。

 

今井

お父さんと猫と一緒に船で。

 

川澄

そうすると、ああいう風になるのかな(笑)。

 

清水

今回は「わたし、上官」だし。

 

今井

あ、そう(笑)。

 

清水

すごいなぁ(笑)。

 

川澄

子供みたい(笑)。

 

清水

「わたし、上官」

 

一同

(笑)。

 

川澄

「なんか偉そう」とか、ね。

 

清水

(笑)。

いまだに、でも、ナゾだな。

 

今井

そうだね。

 

川澄

断章で、やっと、見えてきたけど。

 

清水

うーん(そうそう)。

 

川澄

でも一番、ナゾのキャラだよ。

 

清水

ナゾですね。

 

川澄

ラフィールの方がまだね

 

清水

うん。まだね。

エクリュアは、ほんとに、自分の気持ちをだすセリフがなくて。他の人に比べてセリフが少ないし。一行の半分もない。単語、単語、単語、みたいな感じで終わるから。

「ああ、これどういう気持ち!? ああ! ああああああ!? 困ったぁ」みたいな。

 

川澄

とっても嬉しいとか、とっても悔しいとか、わかんないね。

あのときだけだよね、Ⅲのアニメの方で

 

清水

あああ。あの、歌を(笑)。

 

今井

びっくりしたあぁ。完成したアニメを見たら。

 

清水

別録りだったから(笑)。

 

今井

なんか、すっげぇ怖かった。

 

清水

(爆笑)

 

川澄

あのときくらいだよね、感情出してるのって。

 

今井

より一層近づけない。

更に絡みずらくなるかも(笑)。

 

清水

活き活きとしてた(笑)

 

今井

ねぇ~。

 

清水

ほんとに、あの時くらいかなぁ~。

 

川澄

ちょっとおっきめの声みたいなね。

 

清水

はははははは。おっきめ。

まず、張った声を出したのが初めてだったかもしれない。

 

川澄

爆散寸前とかでもね、おっきい声だしたことないもんね。

 

清水。

全然出さない。

マイペースに。

『撃つ』

 

川澄

『もうダメ!』とか言わないもんね。

 

清水

淡々と『もうだめ』

 

川澄

ダメじゃないんじゃない。

 

清水

(笑)

だんだん、ほんとに、今日もフリーコヴの艦橋でみんながわぁーって声だしてると、一緒に「離れる!」とか叫びたくなるんだけど。………がまん。

 

今井

そうだよねぇ。

私には無理だな。エクリュアみたいな役。

 

清水

(笑)。

 

今井

すっごい苦手かも。やれそうもない。

 

清水

昔の方が、純粋にエクリュアを演じられて気がする(笑)。

 

今井

ああ、それはねぇ、私もそういうところあるかもしれない。

なんとなく、続けば続くほど、いままでと同じでいなきゃいけない部分と、やっぱりレベルアップしなきゃいけない部分と、それがうまくいくときはいいんだけど、すっとすれ違っちゃったりとかすると、その分、緊張に走ってしまう。いまだにね。まぁ、緊張しなくなったらおしまいだけど。

 

清水

この現場は、普通の現場とは違うプレッシャーが、昔からある。

まずセリフ自体が難しいし、普段使わないし、みんな、緊迫してるシーンが多かったりとか、CDドラマだと特に、一人の人が長~くしゃべってるから、そこでひとことの私がつまづいてはいけない!とか。

 

今井

あああ、うふふふふ。

 

清水

少ない分、余計に…

 

今井

プレッシャーになるね。

 

清水

うん。

前衛翔士だったころは、わりと、楽だったんですけどね。ソバーシュさんがいたし。『戦旗Ⅲ』になってソバーシュさんのポジションだったカウントダウンが入ってきたりとか。

 

川澄

そうだよねぇ。

 

清水

今まで、自分が昔、見てきたことを、やんなきゃいけないんで。

もう副長ですし。

 

今井

ジント以外はみんな成長している…。

 

清水

うふふふふ。

 

川澄

でもジントもちゃんと、階級あがってるし。

 

今井

うん、まあねぇ~。

でも、やっぱり着いて行く方じゃないですかね、どっちかっていうとね。

『戦旗Ⅳ』になって、星界っぽくなったっていうか、『戦旗Ⅲ』はやっぱりちょと、番外編みたいな感じだったし。

 

 

離れ離れになったジントとラフィール

 

川澄

『戦旗Ⅱ』のことも話しておかないと(笑)。

このお話は、きつかったですね。特にCDドラマのとき。

 

今井

きつかったですねぇ。役的に。気持ちが。

 

川澄

CDドラマの方は、アニメではカットされたアンガスンとか、ドクフーたちひとりひとりの事情とか、そのまんまやってたし。

原作を読んだとき思ったけど、地上での話なのに、おっきいというか、よく考えたなぁと。

みんなが求めてるものが違ってとか。

捕まっちゃうジントがジントっぽいなぁとか(笑)。

 

今井

ほぉんとにマヌケだよねぇ。

 

川澄

マヌケじゃないですよ(笑)。

 

清水

あははははは。

 

今井

第三者的立場から見るとね、こーゆーの向いてないだろう君ってね。思うときがあるんですよ。

でも、なんか、すごく、命にかかわるようなことでしょ。

 

川澄

このお話が一番、命の危機っぽかったかな。

 

今井

彼には他に合う部署があるんじゃないか!って思っちゃうくらいの、感じがあって。

でも、やっぱり、自分の立場とか、大切にしようっていう、そういうところは男らしいかなと思うんですけどね。

 

川澄

感情的には一番つらかった話かな。

 

今井

そうだねぇ。

 

川澄

お芝居も難しかったかなぁ。

 

 

ずっと作品が続いていくといいな

 

今井

この先もじっくりと、作れる限り、作り続けていただければ。

もう、がんばります!から。

どんどん歳とってくけど(笑)。

 

川澄

アニメは膨大な仕事量ですものね。

 

今井

そうだよねぇ。

あんまり無理しないようにしてもらいたけど。

 

川澄

CDが続いてることもすごいことだと思うけど。

 

今井

この先どうなるんでしょう。

 

川澄

CDは毎回、いっぱいいっぱいで。

 

今井

紋章のボックスから、こうやって話をさせてもらってるけど、そのために聞きなおしてると、もうほっとに大変。なにこいつぅ、今井由香かよ!みたいなそんな感じで。はっちゃけちゃって。

 

川澄

はっちゃけてた?

 

今井

うん。

少年っぽいの、もっと普通の。

 

川澄

紋章はほんとに少年と少女の冒険ばなしって感じだったから。そんなこと言ったらラフィールなんか、めちゃくちゃ少女ですよ。

 

今井

でも、私なんかよりも、全然落ち着いてるから。すっごいなんか、あおーん!って思って。

かえって私も落ち着かなきゃって思った。

あまり、こういう感じの性格の人ってあんまりいなかったから新鮮でしたけど。

 

川澄

こんな思慮深いヒーローはなかなかいませんね。

 

一同

 

川澄

でもいっつも助けにくるのはお姫さまの方だからね(笑)。

 

今井

そうそうそうそう。

運がいいんだか悪いんだか。

 

川澄

でも紋章のときは助けてもらたったでしょ。

 

今井

うん。

 

川澄

香里ちゃんの成長を見守りたいね。

 

清水

ああ、中学、高校と、そして、成人して

 

川澄

次はお母さんにでも

 

清水

お母さんに(笑)。

えーと、三十歳くらいまでは結婚するつもりがない。

 

川澄

ほんとぉ?

 

清水

はい。

じゃあ、三十歳ぐらいまで続いて

 

川澄

あのね、三十歳になると出てくるよきっと結婚願望が。

 

清水

あ、ほんとですか?(笑)

 

今井

そうだねぇ(笑)

 

清水

じゃあ、嫁に行くまで星界を続けたいですね。

 

川澄

見守りましょう。

長くやってると、作品にも役にも深くかかわれるし。

 

清水

うーん(大きくうなずき)

 

川澄

なんか役者もね、たまには会うのがいいよね。

 

清水

うん。

 

川澄

みんなが会って「かわってないねとか、老けたね」とか言う、話をしながらはじまるのがいいななんて。

 

清水

うん。

 

川澄

「なんか大人っぽくなったんじゃなぁい」とか、「女っぽくなったんじゃなぁい」なんて。

 

今井

そうだよねぇ。

 

川澄

たいていそんなとこからはじまって。「香里ちゃん、いくつになったの?」とか

 

清水

うふふふふ。

 

川澄

そんなことを、言いながら。

 

今井

「白髪が増えてきた」とかね。

 

一同

爆笑

 

川澄

そーゆーのはやめましょう。

なんか、そーゆーのもいいなと思うので、この先も続けられたらいいなぁと。

 

今井

そうなると、ほんとに、ジントたちはそんなに歳とってないから、とりあえずね、こっちばっかり歳とっちゃうから、そのへんの体力づくりというか

 

川澄、清水

あはははははははは。

 

川澄

由香さん、言うことが(笑)

 

今井

老けすぎたかなとか心配しながらも、ずっとずっと続けていきたいと思います。

 

2019.09.13
星界十年対談:長岡康史X清水香里
(2010年当時の対談)
長岡 では、乾杯。
清水 乾杯。
長岡 ご無沙汰してます。
清水 ご無沙汰してます。
長岡 しかし戦旗から十年経って、こういうのがあるのもありがたいよね。
清水 ありがたいですねぇ。
長岡 紋章のアニメのときは、満遍なく大変だったんですよ。
清水 満遍なく(笑)
長岡 最初から最後まで満遍なく。人生であんなにハードだった時期はないですね。
清水 へぇ~。
長岡 初めて立ったまま寝るって経験をした。
電車に乗ってつり革につかまったままカクンとなるって体験をね。
1クールしかないのに、なんでこんなに大変なんだろうって思ってた(笑)
戦旗になっても大変なのは変わらず。音響の現場に行くと音響監督とか森岡さんが
ヘンな顔をする。あんまり私の顔色が悪いんで(笑)
清水 そういえば監督はいつも「眠い」って言ってた気がします(笑)
長岡 まぁ、今となれば、やりきった!って良い思い出ですけどね(笑)
そういえば、エクリュアのキャスティングってね、紋章のときのラフィールと同じくらい人選が難航したんですよ。
清水 そうなんですか。
長岡 うん。なかなか決まらなくてね。
清水 へぇ~。
長岡 ラフィールはずっとオーディションやってて決まらなくて、トータル百人以上にお願いして。
川澄さんが最後百人目みたいな感じだった。
清水 百人!
長岡 エクリュアもいろんな役者さんのデモテープを沢山聞かせてもらって。なかなか良い人がいなくて。
あなたの出てたほかの作品を見せてもらって、あ、この子だって思った。
オーディションって形じゃなかったよね?
清水 ええ。受けてませんね。
長岡 エクリュアのキャラクター造形っていうか、ルックスとキャラづけが、
エヴァンゲリオンの綾波に似ちゃわないようにするにはどうしたらいいだろうって、
ずっと赤井さんと話し合ってた。原作の設定がね、見た目にもショートカットで青い髪で、
ちょっと不思議ちゃん系みたいな感じだったんで似ちゃうとマズイ。
清水 はい。わかります(笑)
長岡 だから、なんとかそういう風に言われない切り口がないかなって。
エクリュアって感情表現がわからないキャラではなくて、
どっちかっていうとシニカルで、自然に周りが気を使っちゃう感じにしたいなって思って。
清水 なるほど。たしかに、そんな感じですね。
長岡 だからキャストも、芝居っぽくならない芝居をしてくれる人がいいなって思って。
そうすると、経験をたくさん積んでる人だと、どうしても作ってきちゃいそうなので。
なるべく素の感じで、キャラに合う人ってのを探してたんだよね。
清水 あの頃は、芝居とか考えられなくて。とにかく夢中でしたね。
エクリュア降りて来い、降りて来い、みたいな(笑)
長岡 あのナチュラルさ、あのときにしかできないニュアンスがあると思うんですよ。
清水 はい(笑)
長岡 更にエクリュアって、本筋にはそんなに絡んでこないじゃないですか。
清水 そうですね。実は意外に絡んでませんね。
長岡 でも短い出番のなかで存在感が出るように、考えた。
清水 なるほど。
長岡 個性が強いんで印象に残って、ファンも多いと(笑)
清水 未だに、あの『撃つ』が好きでしたっていう人が(笑)
長岡 『撃つ』は原作にはないんだよねぇ。
清水 あ、そうですね。
長岡 あれはラジオドラマが先で、面白かったんでアニメでも取り入れさせてもらった。
なにか特徴をつけないと、戦闘シーンで存在感を示せないんですよ。
清水 たしかに。
長岡 ブリッジの中って動きがないので、カットを割って見せていくしかないんですよね。
お客さんを飽きさせないようにするには。
清水 あ~あ。
長岡 そのとき各キャラクターに、それぞれ決めゼリフみたいなのがあると映像作品として
面白いかなと思って。
清水 最近、ツイッターでずっとファンだった漫画家さんをフォローしたら、
「あの、星界の戦旗が大好きで、エクリュアの『撃つ』が大好きでした」って書いていただいて。
長岡 長く続いてると、そういうことがあって、ありがたいですねぇ。
清水 そうなんですよね。
長岡 紋章を始めたころって、wowowで深夜枠でしかも有料枠で、見るためのハードルがいくつもあって。
これは誰が見てくれるんだろうって(笑)
清水 (笑)
長岡 このハードルを乗り越えてくるのは相当原作が好きな人だろうと。
地上波だったら、たまたまチャンネル合わせたらやってましたってこともあるだろうけど、
それが望めない。
清水 う~ん、そうですね。
長岡 wowowじゃなかったら、もう少しわかり易い作りを心がけたと思いますね。特にアーヴ語ね(笑)
清水 アーヴ語(笑)たしかに。森岡先生のアーヴ語講座アフレコの時に、やりましたね。
長岡 川澄さんは、短い文章なら普通に喋れるようになったって言ってましたね。
清水 だんだん覚えてきたみたい(笑)
長岡 しかし、なんといってもエクリュアは、現場に制服で来てたのがインパクト大きい(笑)
清水 はい(笑)
長岡 まず思い出すのは、そのことだよ(笑)
清水 私は、Aパートにひとことくらいしかセリフがなかったときに先に抜き録りして、
どうして私だけ先に録るんだろうって思ってたら「はい、いってらっしゃい」って(笑)
共演者のみなさんから学校へ送り出してもらったのが、めっちゃ記憶に残ってます。
そんなことをしていただいた唯一の現場でした(笑)
長岡 今は、もしかしたら制服で来る子もそんなでもないかもしれないけど、十年前は、
高校生がTVシリーズの現場に居るって珍しかったんで、
みなさん、なんか親の目線みたいだったんじゃないかな。
清水 そうか(笑)今思い出しても、あんなに周りの人が温かかった現場は他になかった。
朝10時からの収録で、10時~15時の収録予定なので学校には「行けるかどうかわかりません」
って言ってたのが2時間目くらいから行けちゃったみたいな(笑)
長岡 いやぁ、大物ばっかりの豪華キャストなのに、優しい(笑)
清水 そうなんです(笑)
アフレコが終わってみんなで昼ごはんとか行ったときにも「香里ちゃんはいいからいいから」
って(笑)「でも、大丈夫です。お金もってます」って言ったんですが
「いいから」って明夫さんに払っていただいたりとか。
なんか申し訳ない感じだったんですけど「じゃあ香里ちゃんが先輩になったときに、
後輩にやってあげて」って言われて。
長岡 そうかぁ。いやぁ、十年って重いなぁ(笑)
清水 そうなんですよね。どんどん自分より若い子が出てきちゃって(笑)
もうキャリアで言ったら自分が上の方だったりする現場もあるんです(笑)
長岡 イロイロ感慨深いですよ。
清水 ほんとに、感慨深いです(笑)
今はお姉さんな役もやるようになったんです。二十歳過ぎてからくらいですかね、
声は低めのキレイなお姉さん役。最初は現場でセクシーな声が出せなくて
十何テイク録りなおしたみたいな。
たぶん、今の私が初めてエクリュアをやったら、たぶん、
もっと女臭くなってたかもしれません(笑)
長岡 セクシーなエクリュア(笑)
清水 エクリュアって、本人は意図してるのかどうかわからないですけど、
ジントに対して思わせぶりなセリフをポソっと言ったりするじゃないですか。
でも、それは思わせぶりなのかと思うと結局なにも考えてなかったのかなみたいな
ニュアンスのセリフを。
今の私だったら深く考えすぎて、素直さがなくなっちゃう気がしますね。
「あなたの猫だから、と言ったらうれしい?」にいろいろ意味がついちゃう。
長岡 うん(笑)。
清水 今、自分がエクリュアみたいな女性になりたいです(笑)そういうことを言って、
男の人を振り回してみたい(笑)
長岡 男からしたら迷惑だよ(笑)めんどくさい。
清水 面倒くさいですか?(笑)ジントもワタワタしてましたものねエクリュアに対しては。
でも、エクリュア、いいなぁ(笑)
長岡 いいなぁって、ほんとにそんな人だと結婚できないよたぶん。
清水 いやぁ(笑)結婚できなくてもあの人生はあの人生で楽しそうだなぁって。
いろんなことに固執しなくて(笑)
長岡 話が最初に戻っちゃうけど、紋章から十一年、戦旗からでも十年過ぎてまだ原作が続いてて、
ドラマCDとか出ちゃうって、ありがたい話で。
清水 いやぁ~アニメも続きをやりたいですねぇ、また。
長岡 森岡先生の原作待ちだけど、ほらこのCDにも入ってるエクリュアのメインな断章もあるし
紋章でも泣く泣く切ったエピソードが沢山あるから、
そういうの集めて1クールくらいでアニメ作ればいいのに(笑)
清水 それでもいいので、是非(笑)
長岡 ドラマCDの話をしといた方がいいのかな?(笑)
アニメと違ってこーゆーのは絵の制約とかないじゃない?
清水 ええ。
長岡 どっちがやりやすいとかあります?
清水 あ~あ。普段私がいただくようなハイテンションな役だと、きっとドラマCDの方が、
自分の思うように、間とかもとれるから楽だと思うんですけど、エクリュアに関していうと、
感情が表に出ない子なので絵に助けられてる部分が物凄く多いかなって感じですね。
長岡 そのシーンの状況とか表情とか?
清水 ええ。あのキャラクターの雰囲気があってこそ活きてくるセリフだったりするので。
星界に関してはアニメがやりやすいです。
長岡 そぉか。
清水 また、是非星界やりたいです。
長岡 じゃあ、それが結論ってことで(笑)


2010.10.28@台風接近中の新宿にて