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スペシャルメッセージ
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竹田裕一郎 2010.08.12 掲載


サンライズステーションでは、脚本家としての顔と熱心なサンライズファンとしての顔を持つ竹田裕一郎さんにインタビューを敢行。ガオガイガーナイト!にはゲストとして、他のオールナイト上映ではご自身でチケットを購入しプライベートで参加する竹田さんの視点から、サンライズフェスティバルというイベントの姿を読み解いていこう。


サンライズフェスティバルのファースト・インプレッション

──竹田さんがサンライズフェスティバルの企画をお知りになった経緯と、このような長期に渡るスクリーンでの上映イベントについてどう思われたのかお聞かせください。

最初に知ったのは確かネット上のニュースサイトで、ファンの皆さんが普段チェックしているのと同じような経路で開催を知りました。
 ファースト・インプレッションとしては、単純に嬉しかったですね。自分は70年代末から80年代前半くらいのサンライズ作品が大好きで、それでこの業界に入ったような人間ですから、その頃の作品をいろんな人と一緒にスクリーンで見られるというのは、本当に嬉しいです。今お仕事をしているアニメ・ゲーム業界にはサンライズ作品のファンが多くて、一緒に行こうという話も良くしていますよ。前夜祭のイデオンナイト!なんて、(来場者の)業界人率が物凄いことになってるんじゃないでしょうか。

──イデオンナイト!のチケットは、第一回目の販売の時には開始後2時間くらいでなくなったそうです。

僕のチケット、最前列ですよ(笑)。

──それは凄い。竹田さんが一番申し込みが早かったそうですからね。

一人のファンとして、ごく普通に購入しました。知り合いの業界関係者にもチケットを取った人が何人もいますから、当日は同窓会状態になるんじゃないかなぁと楽しみにしてるんです。僕が一緒に行くのも、ガンダムXのキャラデザインをされた西村誠芳さんですし。


▲「伝説巨神イデオン 発動編」より

──竹田さんはサンライズフェスティバルにはどのくらい参加される予定なんですか?

プライベートで参加する分はイデオンナイト!の他に、ボトムズナイト!も前の方の席を確保しています(笑)。オールナイト以外では週を通して見られるワンウィークプラチナチケットが先行発売されていますけど、僕の場合どの週でも参加出来ない日が出てしまいますので、上映直前に発売される一日単位のレイトショーチケットでお目当ての日の分を確保しようかと。特にアーリーサンライズウィークのダグラム、バイファム、ザンボット、ダイターンあたりは楽しみで、ぜひ行きたいと思ってます。確かチョロQダグラムもやるんですよね?

──上映します。今回のラインナップで、竹田さんがスタッフとして参加されていた作品はどのあたりでしょう?

僕がスタッフとしてお仕事するようになって以降の作品は少ないですよ。ほとんどは一ファンだった時代の作品です(笑)。実際に参加したのは(装甲騎兵ボトムズ)赫奕たる異端とガオガイガーくらいです。それにしても、今回は10代20代のファン置いてけぼりの企画ですよねぇ。一週くらい若い人向けの週があってもいいんじゃないかと、正直思いましたが(笑)

──今回は、サンライズを支えてくれていた世代のファンに還元したいというところから出発した企画なんです。

僕ら的にはすごく嬉しいお話ですね。


▲「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端」より



ガオガイガーナイト!と、勇者王ガオガイガーFINAL GRAND GLORIOUS GATHERINGの特殊な楽しみ方

──次に、竹田さんがゲストとして参加されるガオガイガーナイト!についてですが。これは何時、どのような形で決定されたんでしょう?

ガオガイガーナイト!のゲスト依頼は、チケットの発売前日に連絡が来ました。発売前に連絡しておかないと、チケットを自腹で買いかねないと心配していただけたのかもしれません(笑)。ただ他のオールナイト企画がイデオン、ワタル、ガンダム、ボトムズで、ゲストも本当に豪華な布陣ですよね。ここにガオガイガーと僕らが入って本当にいいんだろうか、という気持ちは正直ありますが(笑)。

──今年は勇者シリーズ20周年の年でもありますし、勇者シリーズをまとめて見る機会が欲しかったんです。であれば、締めはガオガイガーだろうと。

勇者シリーズの代表ということではなく、TVシリーズ最後の作品という区切りだったからだと思っていますが、ありがたいお話です。最近、お仕事でご一緒する若い人たちの中に、ガオガイガーにハマっていたと言ってくださる方も多くて、ああそんなに時間が経ったんだなぁ、と。スパロボで知ってくださった人も多くて、色あせない作品になってくれたんだな、と思います。

──それで、ガオガイガーナイト!の内容についてなんですが。現時点ではトークショー、TVシリーズから選択したエピソード1話分とFINAL GGGの一挙上映を予定しているんですが。

トークショーについては、まだ打ち合わせの前なので(笑)何も言えません。前のイベントみたいに肝臓原種、これは僕がモデルなんですが、またそのコスプレさせられるのかなぁ……と心配している位です。ガオガイガーはだいたいメインスタッフがモデルになったキャラクターが登場しているんで、そのコスプレをさせられるんですよ。監督ひとりだけモデルになったキャラクターがいないのでズルいな〜と思っていたら、ガサラキで米谷博士というキャラが登場して、因果応報じゃあ〜とみんなで喜びました(笑)。
 ちょっと余談ですが、今回上映予定のガオガイガーFINAL GGG。この作品には少し面白いエピソードがあるんです。TVシリーズの放送当時にガオガイガー公式年表を書いたのは僕で、ガオガイガーがTVシリーズではじめて出撃した日っていうのも設定していたんですが、ちょうどその日がガオガイガーFINAL GGGの最初の第一話放送日だったんです。2005年の4月11日なんですが。
 で、TVシリーズ最終話が2006年3月としか決まっていなかったので、FINAL GGGのDVD-BOXが出るときに年表をまた載せることになりまして、どうせならということでTVシリーズ最終話劇中の日付を、DVD-BOX発売日である2006年3月24日にセッティングした、というエピソードがありましたね。


▲「勇者王ガオガイガー」より

▲「勇者王ガオガイガー」より
  右上が肝臓原種

──美しい偶然ですね。

TVシリーズを作っていた頃は2005年が近未来だったんですが、もう過去になってしまいましたね。それからガオガイガーFINAL GGGは、このフェスティバルの中でも珍しい特徴を持った作品なんですが、そこを楽しんでいただきたいです。

──どういうことでしょう?

この作品はOVAであるガオガイガーFINALに、TVシリーズやベターマンの映像を追加して、再構成されたものなんです。その結果、たった12話の中にアニメにおけるあらゆる映像素材が使用されたものになったんですね。作画部分はTVシリーズがセル画を16mmフィルムで撮影、FINALの序盤は35mm、中盤はアナログ・デジタル混在で、終盤はフルデジタル。そして、CG部分は、前半が一度フィルムに起こしたもの、後半は直接、デジタルで仕上げたものになっているんです。アナログからデジタルへの過渡期に、長期間にわたって作られたからなんですが、こんな事例は滅多にありません。今回の上映では大画面で観ることにより、テレビモニターではわからなかった、素材ごとの質感の差なども楽しめるんじゃないでしょうか。本当は差があっちゃいけないことなんですが(笑)。
 それと、音声も5.1ch化に伴って変わっている部分もあります。たとえばGGGの冒頭部分はTVシリーズの最終回のカットを使用しているんですが、音声素材の都合でアフレコしなおしているので、演技の違いを楽しむようなことも出来ます。こういうのはマニアックな視点ですけど、ガオガイガーFINAL GGGはそういう楽しみ方ができる作品ですし、今回は上映素材について細かく公開されるとのことなので、あえて言わせていただきました。
 ただ、あんなテンションの高い作品を朝まで見るのは大変ですよね。ガオガイガーナイト!にいらっしゃるファンの皆さんは、ちゃんと睡眠を取って来てください(笑)


▲「勇者王ガオガイガーFINAL」より



素材の公開と、次回への期待

──素材の話題が出ましたが、今回上映する作品の素材を公開しているのは、きちんと条件を提示して、あらかじめわかった上で来ていただけるファンの方に楽しんでいただけるようになんです。素材ごとに様々な特色がありますが、なるべく当時に近い体験を楽しんでいただきたいので。

素材ごとの楽しみ方は、マニアックな楽しみ方ですが確かにありますよね。FINAL GGG以外では、たとえばボトムズウィークで上映予定の赫奕たる異端。これは実は完成した形のフィルムが存在しない作品なんです。カットごとに作成した素材をビデオ編集で完成させている形式なので、純粋にアナログだったTVシリーズとは画質の感じが違うんですね。
 それから僕がバイファムのOVAを劇場で見たいのも、35mmで作られた作品だからという部分もあります。最初から35mmで作られた高画質の作品なら、やっぱり劇場の大画面で楽しみたいじゃないですか。こういうのはスレた楽しみ方なのは確かですけど、このインタビューを読んでくださる方々への豆知識のひとつとして(笑)。
 もちろん正統派な楽しみもあります。今回何が楽しみかと言うと、イデオンの発動編を大画面で見られるっていうのが、とにかく楽しみですよね。我々くらいの世代の人間は公開当時に映画館に見に行けたんですが、少し若い世代の人は大画面で見たことは意外となくて、伝説として聞いているだけの人って多いみたいなんです。

──イデオンが劇場にかかる機会って、滅多にありませんからね。比較的恵まれているはずのガンダムシリーズでも、劇場にかかる機会が少ない作品というのはやはりありますし。

一月もかけた長期イベントだから出来ることなんでしょうね。それでも今回かかっていない、劇場で見たい作品は沢山あります。クラッシャージョウなんて、35mmで見てみたくありません? 高千穂遙先生が原作の作品をまとめて高千穂ウィークとか。

──それは見てみたいですね。

次があるなら、制作スタジオごとにまとめた企画で見てみたいです(笑)。パンフレットにはスタジオごとの年代記を載せて、オールナイトではプロデューサーをトークゲストに呼んで、代表作の監督をインタビュアーにすると盛り上がるかも(笑)。昔からのサンライズファンにはスタジオごとに作品に色があるということは良く知られていますし、監督単位で見るのとは違う、別の視点から見たサンライズ史が浮かび上がってきて、面白いんじゃないでしょうか。今回、2010夏とついているからには、次をやるつもりがあると信じています(笑)。

──最後に、サンライズフェスティバルを楽しみにしているファンの方に一言お願いします。

今回のサンライズフェスティバルに来る方って、やっぱり30代後半とか40代とかの年齢層が中心だと思うんです。僕らと同世代の、特に10代の頃に初期サンライズ作品を楽しんでいた人たちは、この会場で同窓会をやりましょう。実はこのイベントに関係なく、近い世代の仲間たちとダグラム話だけをする飲み会をやろうと話をしていたんです(笑)。普段はアニメから離れちゃってる世代の人たちも、久しぶりに10代の頃を思い出して、一月かけて一緒に同窓会を楽しんでほしいですね。

──若い世代のファンの方々にはいかがですか?

僕たちが今作っている作品というのは、今回上映されるあたりの作品に影響されて作った物が多いんですよね(笑)。ぜひ、あなた方が今見ている作品のルーツを、確かめに来てください。

──ありがとうございました。



竹田裕一郎
脚本家。サンライズ作品への参加は「勇者王ガオガイガー」シリーズ(脚本)、「星界の戦旗」(脚本及びIIのシリーズ構成)など。最新作はゲームでは6月に任天堂から発売されたWii用RPG「ゼノブレイド」(脚本)、アニメでは秋から放送予定の「スーパーロボット大戦OG−ジ・インスペクター−」(シリーズ構成及び全話の脚本)。


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