『サンライズフェスティバル2012颯爽』「カウボーイビバップ」オールナイト上映レポート
2012.09.05
8月25日(土)『サンライズフェスティバル2012颯爽』千秋楽となる3回目のオールナイト「カウボーイビバップ」の上映が開催されました。
上映前には、サンフェス恒例のゲストを招いてのトークショーを開催。
司会の小林治さんがゲストトークの前に、お客様にいつ頃『ビバップ』を観たのか場内調査。WOWOW放送時や、DVD-BOXになってから観たと答えも様々出てきます。TV放送当時は何と小学生だったという方まで!とファン層の広さが感じられました。
更に12月21日に発売される「COWBOY BEBOP」Blu-ray BOXの情報とプロモーション映像上映後、満を持してゲストの登場です。
今回ゲストとして、渡辺信一郎さん(監督)、信本敬子さん(シリーズ構成)、川元利浩さん(キャラクターデザイン)、佐藤大さん(舞台設定協力・各話脚本)にご登壇頂きました。
今回参加されるお客様に事前にゲストへの質問を募集し、佐藤さんが質問を紹介していくQ&A形式でトークが進められ、ゲストの答えに会場からは笑いが起こる場面もありました。
Q:スタッフの皆さんで定期的に会ったりしますか?
川元「この4人で揃ったのは劇場版※1の打ち上げ以来かもしれません」
渡辺「何人か仕事で会うことはあるけれど、揃ったのは久しぶりですね」
※2001年公開の映画『カウボーイビバップ 天国の扉』
Q:今当時の映像を見ることはありますか?
川元「DVD-BOXなどでサンプルを頂くと必ず映像チェックしています。」
佐藤「デビュー作品なので色々失敗したり勉強させてもらった思い出が蘇ってくるので、基本見返しはしませんね」
渡辺「映像を見ると“ああしておけばよかった”と直したくなってしまうので、リマスター作業などで必要な時でない限り見ないようにしています。ただ今見ると不自然な色味を直したりはします。この間全話通してみたら“なかなか面白いじゃん”って思いました」
Q:制作当時の失敗談などありますか?
川元「それは・・・今はまだ言えません(笑)」
信本「もう少し早く書き上げられなかったのかと…今思い返すと反省しています。15年目の懺悔です」
佐藤「『#14 ボヘミアン・ラプソディー』で初めて脚本を書かせて頂いて、明らかに40分以上の脚本が出来上がったこと。監督にどうにかこうにか尺にまとめてもらいました」
Q:当時セルからデジタルの移行期間でしたが、何か思い出はありますか?
川元「セルカットとデジタルカットの制作工程が全くの別物で苦労しました。デジタル特効のスタッフがいなかった為、(自分で)デジタル特効もやっていました」
――作画監督をしながらデジタル特効もされていたんですね。
渡辺「当時はまだデジタル初期でスタッフの明確な棲み分けが出来ていなかった時期でもあります。だから近くにいたスタッフに「これやって」と振っていました」
川元「本当にこんなノリで仕事を振って決めるんです!」
佐藤「15年経っても一貫して『だらしないカッコよさ※2』ですね(笑)」
※2「カウボーイビバップ天国の扉」のキャッチコピーの一つ。
Q:スパイクの髪型がどうなっているか分かりません
川元「(笑)。当時も百戦錬磨のスタッフに「どう描くんですか…」とよく聞かれていました。自分の場合2Dでキャラクターを作るので「気分です」としか答えられなくて…。
手首をキュキュッと返しながら描くとそれなりに描けます」
Q:「ビバップ」で好きなキャラクターは?
信本「ビバップ号のキャラクターはみんな好きです。あとビシャス。声優(若本規夫さん)も含めて好きです」
――ビシャスは強烈なアクが欲しかった為、若本さんにお願いしたとの監督談。
川元「ストレスなく動かしたくなるアイン。自分が作画監督でなかった回もちょこっと修正入れたりするくらい。出来れば監督にはもっと動物への愛情表現を入れて欲しかったです」
渡辺「海外のイベントではあまり共感いただけなかったのですが、僕はジュリアが好きです。僕だけはジュリアのこと分かっていますから」
Q:スパイクのその後が気になります。
渡辺「ハッキリとした答えを最後には出していません。どう思ってどう解釈するか、これは見た人に委ねています」
その後、ゲストの皆さんのサイン入りポスターが4名に当たる抽選会が行われました。
――皆さんへメッセージをお願いします。
佐藤「僕の好きなセリフをここで。『君の瞳に映った僕に乾杯』」
川元「これだけの人に来て頂けて、本当にいい作品に恵まれたんだなと改めて思います」
信本「15年近く経ってしまいましたが、気持ちはあの時のままです」
渡辺「10年以上も前に作られたアニメにもかかわらず、こうして今でも見に来てくれる人がいてくれて嬉しいです。上井草のスタジオでアニメを作っていた時には、まさか登壇して話をしたりするとは夢にも思いませんでした。それだけ長く愛されているということで、本当に幸せな作品だと思います。最後まで楽しんでいって下さい」
当時のスタッフ裏話やここでしか聞けないような話も飛び出し、あっという間の60分が過ぎ大盛況&拍手の中トークイベントは終了。
興奮冷めやらぬまま上映スタートとなりました。
川元さん、渡辺監督、信本さん、佐藤さん
サイン入りポスター
『サンライズフェスティバル2012颯爽』「機動武闘伝Gガンダム」オールナイト上映レポート
2012.08.17
8月11日(土)『サンライズフェスティバル2012颯爽』2回目のオールナイト
「機動武闘伝Gガンダム」上映が開催されました。
当日、ガンダムファイター登録票が配られ、沢山のガンダムファイターに参加頂きました。
上映前には、サンフェス恒例のゲストを招いてのトークショーを開催。
司会は、おなじみ小林治さん。ゲストは、真紅のバラの貴公子 ネオフランス代表のガンダムファイター ジョルジュ・ド・サンド役 山崎たくみさん。
まず、ガンダムファイト国際条約7ヶ条を山崎さんと一緒におさらい。
第一条 - 「頭部を破壊された者は失格となる。」
第二条 - 「相手のコクピットを攻撃してはならない。」
第三条 - 「破壊されたのが頭部以外であれば、何度でも修復し決勝リーグを目指すことができる。」
第四条 - 「ガンダムファイターは己のガンダムを守りぬかなくてはならない。」
第五条 -「一対一の闘いが原則である。」
第六条 - 「国家の代表であるガンダムファイターはその威信と名誉を汚してはならない。」
第七条 - 「地球がリングだ!」
山崎さんからオールナイト上映ガンダムファイト補足事項がありました。
第二条補足「どんなに熱くなっても隣の人を殴らないように!」
第三条補足「5分以内であれば寝ても、決勝を目指すことができる」
ジョルジュということで、山崎さんにはレイモンド風の執事(?) がティーセットを用意。
ちなみに、ポットの中身は麦茶です。
ガンダムトークレディーゴー!!の合図でトークがスタート!と思いきや、そこに介入者が・・・
「俺のこの手が光って唸る。お前を倒せと輝き叫ぶ。爆熱ゴッドフィンガァァァッ!!!」のセリフで登場したのは、ネオジャパン代表 ドモン・カッシュ役の関智一さん。
役者が揃ったところで、ガンダムファイター登録内容を確認。
Q1.あなたにとって『Gガンダム』とは!?
Q2.『Gガンダム』の中で、あなたにとってのベストバウト(対決)・シーン!
Q3.『Gガンダム』の面白さ
関さんのベストバウトは、「真・流星胡蝶剣!燃えよドラゴンガンダム」
本気で闘うかっこ良さ、アフレコ時の面白話を教えて頂きました。
DVDをお持ちの方は、第37話でドモンが「大丈夫か?サイサイシー」と言っているセリフを確認してみましょう。何かに気づくかもしれませよ?
そして、山崎さんのベストバウトは・・・
「皆さん、気づいています?ジョルジュ、一度も勝ってないんです・・・」
「ベストバウトどころか、バウトしてない!」と山崎さん。
山崎さんのベストバウト話は、Gガンダムトリビアに変更となりました。
ファイター登録票には、Gガンダムは熱い! という投稿が多くありました。
沢山のガンダムファイター登録がありましたので、別途、スタッフコラムにてご紹介したいと思います。
そして、登録票にも多く書かれていた「Gガンダムはガンダムの世界観を打ち破った」という部分では、小林さんが考えてきた“機動武闘伝Gガンダムが壊した7か条”を発表
1.ガンダムでのド突き合い
2.コロニー同盟による支配
3.モビル・トレース・システム
4.MSを搭載する戦艦の不在
5.訓練ではなく修業
6.必殺技を叫ぶ主題歌
7.二十代の主人公
地球をリングにするような、「地球」に囚われていない登場人物や、戦艦が出てこないことによる、「ガンダム」では必須の「●●●いきまーす」がないことなどを指摘。
山崎さんからは「修行しているのはネオジャパンだけ!!」「(普通)必殺技自体が存在して無いから!」とごもっともなツッコミも頂きました。
二十代の主人公については、他のガンダム作品の主人公は15〜16歳。その中、ドモンは大人なので、シャンパンを飲んでいたり、カウンターバーによく座っていたことを関さんも思い出していました。
他、Gガンダムが面白い理由として、各話完結話が多く、冒頭に放送の内容の説明があったりと子供向けに作られており、かつ、主人公の恋愛話や師匠を超えていく成長物語など、エンターテインメント要素がしっかり入っているところ等が上がっていました。
また、この日上映のある最終話で、色々な作品のロボットが出てくることを関さんより詳しくご説明がありました。
会場のガンダムファイターの皆さん、大きなスクリーンで確認できましたか?
山崎さんの「左右非対称のガンダムはおもちゃが売れない!」という告白をきっかけに、会場のガンダムファイターが、どのガンプラを購入したか調査。
ゴッドガンダム、ドラゴンガンダムを購入したファイターは会場の半数ほど。
ガンダムローズを購入した人はボルトガンダムと同じくらい。という結果に。
(どれくらいかは想像にお任せします・・・)
他、「師匠との最終対決」がベストバウトというファイターからの投稿に、関さんは「師匠とアニキを複合的に超えていくところが絶妙でしたね」とコメント。
「ドモン対シュバルツ」という投稿には、会場のファイター達も共感。
ちなみに、関さんの、シュバルツの好きなシーンは「病院の屋上で指パッチンして飛んでいくところ」そして、その指パッチンは当時ミキサーを担当していた人の指パッチンだったというGガンダムトリビアをまた一つ教えて頂きました。
そして、ここで当時、設定制作を担当していた河口佳高さん(現 サンライズ執行役員、コードギアス反逆のルルーシュ シリーズプロデューサー)が登壇。
Gガンダムでは何故、変わったガンダムが多く出てきたのか質問。
「変なガンダムを発注していたのは自分です。カニガンダムとか私が描いているんですよ。」
「マーメイドガンダムは、シナリオが上がった時に(メカデザイナーの)大河原さんに発注しました。最初に上がったのは半魚人みたいなガンダムでしたが、アフレコ中の今川監督に持っていったところ、その場で描き始めてしまって、魚に手足が生えたようなガンダムができました。」
また、「マンモスガンダム対タントラガンダム」がベストバウトだという投稿に対して、「回想でちょっと出てくるやつですね。本当にただの象のガンダムを発注しました。」と当時のガンダム発注時の面白話を披露して頂きました。
その後のプレゼント争奪じゃんけんファイトでは、関さん、山崎さんのサイン入りポスターを4名にプレゼント。山崎さんとのジャンケンファイトによって勝者が決定。
そして、ガンダムエース(角川書店)にて連載中の島本和彦さんの漫画コミックス最新刊3巻を4名の方にプレゼント。このコミックにはそれぞれ、島本さん描き下ろしのイラストが入っています。
こちらは、関さんとのじゃんけんファイトで勝者が決定しました。
関さんと山崎さんからファイターの皆さんへコメントを頂きましたので、ご紹介します。
山崎さん「18年経つ作品をこうやって応援してくださって、スタッフ一同、本当に嬉しい限りです。長い夜なので、じっくり10本楽しんで行って下さい。」
関さん「20代の前半で初めて主役をやらせてもらって、今だに、色々なところで関わらせて頂いている大好きな作品です。僕の中では生き続けている作品です。今日は朝まで、楽しんで下さい。」
そして最後に、全ファイターで決めセリフの掛け合いを行い、テンションMAXになったところで、トークイベントは終了、上映がスタートしました!
『サンライズフェスティバル2012颯爽』「コードギアス反逆のルルーシュ」上映レポート
2012.08.10
8月3日(金)「コードギアス反逆のルルーシュ」の上映回にナナリー・ランペルージ役の名塚佳織さんにご登壇いただきました。
制作中の一アイディアとして、実はナナリーに黒幕説があり、当時は谷口監督から、「どちらの結末でも大丈夫なように演技して欲しい」と要望があったこと、マオのいやらしい拍手が忘れられないという思い出などをお話し頂きました。
また、7月27日に発売されたばかりの「ナナリーinワンダーランド」の内容にふれたり、アフレコ時のお話もありました。
なんと、プレゼント抽選会では、名塚さんのサイン入り「ナナリーinワンダーランド(初回限定版Blu-ray)」と8月4日(土)から劇場にて上映が始まる「コードギアス亡国のアキト」のペアチケットを各回1名ずつプレゼントして頂きました。
最後に名塚さんよりコメントを頂きました。
「心が痛むような話数ではありますが、大画面で観て思いっきり涙を流して頂ければと思います。今日いっぱい泣いて、「ナナリーinワンダーランド」で、明日いっぱい笑って下さい!ありがとうございました。」8/3(土)19:30の回より
皆さん、「ナナリーinワンダーランド」を手に入れて、いっぱい笑いましょう!!
『サンライズフェスティバル2012颯爽』「機動戦士Zガンダム/機動戦士ガンダムZZ」内田健二プロデューサートークショーレポート
2012.08.09
8月2日(木)「機動戦士Zガンダム / 機動戦士ガンダムZZ」上映後、内田健二プロデューサー(当時 現・サンライズ代表取締役社長)によるトークショーが行われました。
内田さんは25歳でサンライズに入社し、「戦闘メカ ザブンブル」、「重戦機エルガイム」の制作デスク時代から、プロデューサーとして「機動戦士Zガンダム」(以後 Zガンダム)、「機動戦士ガンダムZZ」(以後 ガンダムZZ)、そして「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」と7〜8年ほど富野監督とタッグを組み、その後も、「SDガンダムシリーズ」や、「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」、「絶対無敵ライジンオー」「元気爆発ガンバルガー」「熱血最強ゴウザウラー」等を手掛けてきました。
−Zガンダムで初プロデューサーとなられましたが、当時の心境はいかがでしたか?
機動戦士ガンダム(以後 ファーストガンダム)から6年経っていて、そもそも当時、アニメーション作品のシリーズ化は無く、「継続するもの」という概念がありませんでした。現在のプロデューサーがガンダムの続編をやるほどの覚悟はなかったと記憶しています。
子供向けではないアニメーションの時代がきている中で、本能的に作らなければならないが、何の前例もなく夢中で取り組みました。
−逡巡は無かったのですか?
逡巡は全くありませんでした。プロデューサーになれる、ガンダムの続編を自分が作れるということの喜びが大きかったです。
−新しいクリエイターを取り入れてこられましたが、Zガンダムでは、どういった方を起用されたのですか?
当時はメカもののロボットは、日本のアニメ業界の中心には無く、今ほど、メカデザイナーや人物デザイナーの人材は豊富ではありませんでした。そこに、富野監督から新しいスタッフで作りたいという希望があり、捜し回った結果、沢山の新人スタッフと一緒に仕事ができたのだと思います。
−また、サンライズスタッフからクリエイターになる方も多いですね
サンライズは、自社で育てて演出家にしていきます。
制作進行から演出家に育てる過程で、監督やデザイナーと制作をつなぐ役割の設定制作がいます。
ザブングルでデスクをやっていた頃、設定制作をやっていた川瀬敏文さん(「絶対無敵ライジンオー」「元気爆発ガンバルガー」「熱血最強ゴウザウラー」監督)、「重戦機エルガイム」で設定制作をしていた杉島邦久さん、Zガンダムで設定制作をしていた高松信司さんも演出・監督としてサンライズ作品に多く関わって頂いています。その後も赤根和樹さんや谷口悟朗さんも設定制作から演出・監督として活躍されています。
それは、富野さんの濃密な教え方あってのことだと思います。
−ZガンダムからガンダムZZへの企画開発時の思い出等は?
当時は、プラモデルを中心とした企業でスポンサーを構築していたので、ビジネス上、どれだけプラモデルを売れるかということが企画を通す上で重要なことでした。
Zガンダムが終わって、当時、“ガンダムを続ける”という考えはありませんでした。
プロデューサーになったからには、自分で作品を企画しようと、プラモデルを主力にしたSFロボットものを新たに企画していました。しかし、一度、ガンダムという看板を作ってしまうと、それを継続していった方が良いのではないかという会社やスポンサーの力学が働き、Zガンダムの後半で自分が立てた企画はなくなってしまい、ガンダムZZというガンダムの続編をやることに決まっていきました。
(ガンダムZZのお話を)富野監督が断ったら、自分の企画が通ると思っていたのですが、「是非、やろう!」とおっしゃり、私も覚悟を決めました。
当時の小林誠さん等のデザインラフの日付を見直したところ、1月(放送2か月前)でもデザイン決定校が上がっていない、非常に大変な状況でした。
−富野監督との思い出は?
富野監督は大変、エネルギッシュな方です。
クリエイティブな才能以外に修羅場の中で判断をしていくということが本能的に優れた人だなと感じたことが今でも記憶に残っています。
1話数のアクシデントだけではなく、ガンダムを作っていく上で色々な案が出ましたが、
新しい主人公で、新しいガンダムを作っていくことも、本能的なひらめきと、瞬間的な判断をしていくということが繋がっていて、すごいなと思っています。
当日、ご来場頂いていたメカニカル作画監督の内田順久さんに登壇頂きました。
−メカニカル作画監督というのは、Zガンダムで初めてできた役職だということですね。
内田健二 まだ、子供向けのアニメが多い中で、メカにこだわった作品の制作体制が全く整っていない環境で、どうやって毎週、線の多いロボットを作っていくのかということで、メカ部分は一人の人に任せていこうと、25歳という本当に若い内田順久さんにZガンダム、ガンダムZZのメカニカル作画監督をお願いしました。
ベテランの作画さんや、ガンダムという作品のプレッシャーを受けながら頑張ってもらいました。
−当時の思い出は?
内田順久 当時、Zガンダムを制作する時、内田(健二)さん率いる制作スタジオにはキャラクター主導のスタッフが多く、メカをかける人がほとんどいませんでした。自分も25歳と若く、力不足であり迷惑をかけた部分も感じましたが、色々な部分で今に継続されています。
みんな、自分より若く、カウボーイビバップの川元利浩さん等も原画で参加してくれたり、いろんな人が関わってくれました。
ただ、当時みんな若く、(原画の)数も多くできないと、戦力としては弱いメンバーでやっていたということが実情だったと思います。
−内田(健二)さんにとってのZガンダム、ガンダムZZは“ガンダム”というコンテンツの中でどのような位置づけなのですか?
「サンライズ」、「アニメ」という枠を超えて、沢山の人に声をかけて、若い人達が沢山集まってくれました。ホワイトベースで例えると、私がブライト・ノアで、みんなが少佐になるか分からない兵士たち。全力でぶつかっていった貴重な数年間でした。
ガンダムに色々な可能性があった中で、Zガンダム、ガンダムZZを作り、富野監督が主人公を変える、必ず民間の青年がガンダムに乗ることになるという色んな要素を詰め込んで、新しいスタッフを取り入れるという道を開きました。たった二本で終るかもしれない、あるいは別の形でガンダムが続いていたかもしれない中で、今に至るガンダムの道の選択肢をほぼ決めたのがZガンダム、ガンダムZZだったのではないかと思います。そういう意味では若いスタッフと皆で無我夢中で頑張った結果、ガンダムシリーズが30年続いて、「やって良かった」と思いますね。
−最後に
TVアニメーションが始まって50年。その半分あたりでZガンダムがあって、その後もこんなに沢山、発展しました。
我々サンライズだけでなく、後続のプロダクションも皆さんの期待に応える作品を沢山創ってきたと思います。そういうことが、Zガンダム、ガンダムZZの後に地層のように積み重なって、皆さんもここに来てくれたのだと思います。
これからも皆さんの期待に添えるように作品を作ります。当時のZガンダムを作っていた若い人たちと同じような年齢の人が、今、新しい作品を作っています。これからも十分、堪能してください。
今日は、本当にありがとうございました。
内田健二プロデューサーと司会の尾崎雅之取締役
Zガンダム/ZZガンダムについて語る内田健二プロデューサー
メカニカル作画監督 内田順久氏を交えて
ご来場頂いた皆さんと
8月1日『まりんとメラン』上映回レポート
2012.08.08
『サンライズフェスティバル2012颯爽』8月1日(水)第2回目の14:50〜「まりんとメラン」の上映が行われました。
米たに監督のセレクションの第1話「出逢いは浅葱色」、第14話「千紫万紅の果てに・・・」、第25話「白きパスカの刻」第26話「サヨナラは海の碧(まりん・ブルー)」が上映され、会場内には涙の気配が、そして上映終了とともに場内から拍手がおこりました。
その感動の冷めやらぬ中、“浅葱まりん”役のKAORI.さんと“ロロ”役の新谷真弓さんが登壇すると場内からは更に大きな拍手がおこりました。
お二人とも米たに監督のイメージにぴったりと指名で役に選ばれたこと、アフレコ現場でのこと、とても大きな会場での打ち上げが印象的だったことなどを語られました。
抽選会では当日来場者に配布されたメッセージシート用にお二人がそれぞれ書かれた直筆の色紙とお二人のサイン入りの“まりんとロロ”のポスターがプレゼントされました。
ポスターがあたった方にはなんとKAORI.さんお手製の“赤いリボン”をイメージしたブレスレットもプレゼントされました。
KAORI.さん「監督から10年後にいいことがあるよと言われたけど、12年経ってたくさんのみなさんにお会いできてとても嬉しかった。また10年後にもみなさんにお会いしたい」
新谷さん「最近はアニメの仕事は少ないですが、また機会があればぜひと思っています。」
{※9月17日(月)〜10月14日(日)まで、蜷川幸雄さん演出のロックミュージカル「僕の四谷怪談」に出演されます。(シアターコクーンにて)}
「出逢いをア・リ・ガ・ト・ウ・・・。」の曲で心温まるトークショーはおひらきとなりました。