スペシャル

SPECIAL

2019.12.04
『ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX』 発売記念
原作者・高千穂遙×松本梨香(ケイ役)×國府田マリ子(ユリ役) 座談会

 

 

スペースオペラの金字塔「ダーティペア」が、生誕40周年を記念して、遂にBlu-ray BOX化!
『ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX』として発売となります。
こちらを記念して先日、原作者の高千穂遙さんと、ダーティペアFLASHシリーズでケイ役・ユリ役を演じた松本梨香さん・國府田マリ子さんの座談会が行われました!このメンバーでしか話せない当時の裏話は、作品ファン必読です。

 

――「ダーティペアFLASH」の映像が流れる中での座談会スタートとなりました。
松本 わたし、声が全然変わってないですね(笑)
高千穂 それは立派なことですよ。本当に。
松本 確か、「『絶対無敵ライジンオー』の日向仁くんみたいにやって」って言われて。
高千穂 仁くんより、もう1~2歳年齢をあげた声にしてくれってお願いしたんじゃなかったかな。1~2歳単位で声を変えられますって言われて。
國府田 かっこいい~。
松本 ユリは、すごく可愛く演じてたね。

 

 

 


――キャスティングはどのような流れだったのでしょうか。
松本 オーディションあったっけ?
國府田 わたしは受けました。事務所から「『ダーティペア』って作品を知っていますか?」って聞かれて。姉が原作を全巻持っていて、それを読んで育っていたので、嬉しくてその日のうちにテープで…その当時は、まだテープだったんですけど(笑)セリフを録りました。
高千穂 梨香ちゃんについては、千葉さんからいろいろ素材をもらって聞いた中で、もうこの人!て決めたんだっけかな。でもユリの方は候補としてもらったテープの中に「これ!」って人がいなかったんだよね。それで、うちにあるアニメを次々に観ていって『おキヌちゃん』の声を聴いたときに「あ、この人!」って思ったんだ。
國府田 えぇ~!嬉しい。
高千穂 ケイも、最初は女性っぽい声だったんだけどわたしが「少年の声で行く!」って主張して、セリフも全部書き直したの。


松本 そうなんですよ。女の人でちゃんと向き合ってやろうと準備して、現場に行ったら高千穂さんは…
高千穂 セリフを書き換えちゃってた。
松本 そうなの(笑)
高千穂 で、サンライズのプロデューサーがシナリオを読んで「まるっきり男じゃん!」って。わたしは『FLASH』のケイはこれでいいって思ってた。梨香ちゃんならできると確信してた。
松本 すごく悩みましたけどね。自分の小さいときを思い出してみたりしながら、ケイとは向き合ったなぁって。ただアクションがすごく多いアニメじゃないですか。収録のときに絵はほとんどない状態だったから、それも大変でした。
高千穂 できあがった絵をみたらバッチリだったけどね。もうケイもユリも完璧!
松本 そう言っていただけるとありがたいです。一生懸命にやったのと、あとはユリちゃんがすごく可愛い、まわりを振り回してるところとか、ぴったりの役だったので…。
國府田 それディスってんですか、褒めてんですか?
松本 褒めてるんだよ(笑)
國府田 えへへへへ。
松本 もう、こういうとこが全然変わってないな(笑)でもこういう二人の差がくっきり出て、きっと観てる方は楽しいだろうなって感じていました。

 

 

 

――音響監督の千葉耕市さんとの収録はいかがでしたか。
國府田 CDドラマで1ページ半に渡る長台詞があったんですけど、どうしてもOKが出なくて。普通なら「もういいよ」ってなっちゃうところを、千葉さんは何回もやらせてくださって。それでOKがでたその日に「最近どうだ?」って声をかけてもらって「今、自分がやっていることが正解なのか分かりません」ってお話をしたら、「自分は出来てる!と思ったときは終わりだ。そうやって迷って迷って、芝居に向き合っている方がよっぽどいい」って言ってくださったの。すごい愛情をもって指導してくださった。
松本 千葉さんはご自身も声優さんをやられていた方なので、表現のコツとか細かい描写の仕方を教えてくださったのが、本当に勉強になりました。
高千穂 全幅の信頼を寄せてたんで、千葉さんに音響監督を引き受けてもらえたらもうOKだと思ってた。
松本 千葉さんの演出は無条件に信じられたんですよね。

 

 

 

――当時は、各地でのイベントもよく開催されていましたね。
松本 あちこちいっぱい行ったね。
國府田 イベントといえば、北海道に行ったときのことをすごく覚えてる。梨香さんが「イクラ丼を食べないと梨香帰らない!」って言って、みんなで食べに行ったら、飛行機に乗れない時間になって…。
松本 あ!そう!タクシーで急いで空港に!
國府田 でもスタッフのみなさんは飛行機に間に合わなくて、千歳空港で一晩過ごしたの。
高千穂 すごい記憶力だ。
國府田 イベントは、いつも観てくれてる皆んなに直接会えるので、幸せでした。

 

 

 

――当時の収録でのエピソードはありますか。
高千穂 そういえば、梨香ちゃんが一生懸命説教をしていたのを思い出したよ。
松本 ああ!(笑)
國府田 えぇ!?お説教されたことないですよ。
高千穂 意識してないのか。
松本 説教というか、アドバイスをしてたね。
國府田 えぇ?
高千穂 馬耳東風だったのね。
松本 でもね、マリ子ちゃんは、ユリにぴったりだった。本当に自然でやってるなって。
國府田 二人の友情というか、愛情のなせる…
松本 そうそう、愛情がないと私もアドバイスは言わないと思うんだよ、マリちゃん。
國府田 わたしもそう思う。
松本 もう、ユリそのままじゃない(笑)
高千穂 まったく(笑)当時、ユリはだれにでも嫌われる子に演じてってお願いしたんだよね。
國府田 はい…。アニメ史上最悪のヒロインを目指してって。
松本 じゃあ「ぴったり」って言うのはかわいそうじゃないですか(笑)
國府田 だから、ずっとディスってるのかなって。


松本 違う違う。
國府田 でも、自分の中ではユリはすごく可愛いと思ってて…。友達に居たら面白いじゃないですか。
高千穂 そう思ってやってくれてたならバッチリ。
松本 ナイスキャスティングだったんですね。
高千穂 うん。最初からそう思ってたんだけど、いざ収録に行って聞いたら「オレってなんて天才だろう」って思ったね。
國府田 うわぁ!嬉しい。
高千穂 『ダーティペア』はTVだから現場に口を出すとスケジュールに差し支えると思って遠慮したんだけど、『FLASH』はもう口をだしまくりで。久しぶりのアニメの現場でもあったから、楽しくてしょうがなかったんだよな。
國府田 現場に来てくださってたのがすごく嬉しかった。
松本 バップの人もそうだし、作品に対する愛を感じる現場でしたよね。いつも人がたくさんいるスタジオだった。
高千穂 あのときはもう「サトシくん」だったの?
松本 まだです。
高千穂 昨日、自転車ショップのオーナーに「明日はサトシくんと一緒なんだよ」って言ったら尊敬されちゃったよ。
松本 あははははは。

 

 

 

――OPとEDの主題歌もお二人が歌われていましたよね。
(左:『ダーティペア FLASH3』ED「心で見つめてる」/右:同作 OP「本気にしないで」)
高千穂 OVAなのにOPとEDが発売されてたんだよね。
松本 わぁ懐かしい細長いの!うわぁ今と全然違う!ほら!女を振りかざしてるころですねこのジャケット(「心で見つめてる」)は。なんかもうポーズが!やばい!
高千穂 こちら(「本気にしないで」)もずいぶんやばい(笑)
國府田 これ…カメラさんのリクエストですから…。
松本 なんだろう?いやいや、もう本当になんだろう?だって、もう見てみ?この写真。
國府田 え?綺麗ですよ。
松本 ブイブイ言わせてた時期だったんじゃないっすかね。
國府田 それ、掘り下げていいんですか?
松本 こう、髪の毛も長いし。
高千穂 それだけ言うと、この写真、使われるよ。
松本 あ…。いや、使おう使おう!残してもらった方がいい。

 

 

 

 

 

――最後に、皆さんへのメッセージをお願いします。
國府田 観たあと気持ちがよくって、自分もこの世界に入れたらなぁと感じられる作品なので、是非観てください!そして続編が出るように皆さん、Get してくださいね。 高千穂 わはははは。
國府田 お友達にも勧めてください!お願いします。
高千穂 この夏の日本SF大会で上映したら『FLASH』も面白いじゃないかって感想があってね。やっぱりOVAだから観てない人もけっこういて。今観てもよくできてるから、観たことのない人も、ある人も是非観て欲しい。
松本 今観ても全然古さを感じない作品ですよね。最初の『ダーティペア』があっての『FLASH』だけど、続編ではなくて、キャラ設定もビジュアルもメカも別なので『ダーティペアFLASH』という作品として是非観て欲しいです。最初の『ダーティペア』が好きだった人も、初めて観る人も、楽しんで欲しいなと。自分たちが参加した作品がこんな形で残るのも嬉しい。
高千穂 うん。出した当時、続編だと受け止められて「違うじゃないか!」という感想もあったんだけど、そもそも違う作品として出したので、そこは梨香ちゃんの言うとおり単体の作品として観てもらいたい。…バッチリまとまったね。
一同 爆笑

『ダーティペアFLASH』含め映像作品を全て収録した決定版・『ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX』は、今月18日発売!
初回限定版特典の「WWWA公式プレミアムファイル」には、FLASHシリーズで監督を務めた須永 司さんと望月智充さんのインタビューも収録。「ダーティペア」コンセプトの世界観を余すことなくお楽しみください!

 

2019.11.25
12/18発売『ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX』
初回限定版特典「WWWA公式プレミアムファイル」収録
原作者・高千穂遙 インタビューを一部先行公開!

 

12月18日に『ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX』として発売となります。
TVシリーズ・劇場映画・FLASHを含むOVAシリーズと、映像作品を全て集約した収録内容はもちろん、初回限定版では美麗版権イラスト集&新規収録の関係者インタビューを収めた100Pに及ぶブックレット「WWWA公式プレミアムファイル」も見どころのひとつ。
今回はその中から、原作者・高千穂遙さんのインタビューの一部を先行公開いたします!

 

―あらためて、TVシリーズヘの関わり方について教えてください。

 

TVシリーズは基本的にノータッチ。
チェックしてくれって届いたものに関しては意見を言ったけど、現場には関わらなかった。TVシリーズの制作スケジュールの大変さは嫌というほど知っているから、わたしが口を出したら立ち行かぬことが目に見えていたし。
ただし、コスチュームデザインに関しては、現場から気に入ったものがあがってこなかったので、こっちから細野不二彦くんにやらせてくれとお願いした。採用されたけれど、TVシリーズは襟が開いてるんだよね。元のデザインは襟が閉じている。監督がどうしてもって言うので折れたんだけど、劇場版では襟閉じのバージョンにしてもらった。それくらいは口を出しているけれど、制作自体には参加していない。

 

 

―『FLASH』が作られる経緯について、みなさんわからないとおっしゃってるのですが。

 

『ダーティペア』っていうのは個別なタイトルじゃなくて、コンセプトじゃないかという気付きを確認するため「FLASH」を始めたような部分もある。
サンライズから「また『ダーティベア』のアニメを作りたい」という話がきたので、ちょうどいいからアニメでもこの「ダーティペアコンセプト」をやってもらおうと。

 

(中略)

 

ただ、今までと違って、現場にがっつりと参加した。
ユリとケイの声優を決めるときも、ほとんどわたしが決めた。
最初はケイも女の子っぽい感じで探していたんだけど、松本梨香ちゃんの声を聞いて、このままがいいなと思い、シナリオを全部直して、ケイは少年っぼい言葉使いに変えちゃった。
ユリがなかなか決まらなくて、いろいろなアニメを見まくった。山の様な量を片っ端から見ていって、探した。事務所の用意したボイスサンプルだと、これってイメージなのがなかったんだよ。だから実際に出演しているアニメで探した。そして國府田マリ子さんの声に出会って、この人でお願いしますと千葉さんに。このふたりがばっちりだった。

 

 

 

 

 


原作者だからこそ語れる当時の裏話の続きは、ぜひCOMPLETE Blu-ray BOX 初回限定版でチェックしてください!
さらに「WWWA公式プレミアムファイル」には、各シリーズ関係者のインタビューも多数収録!

こちらもぜひお楽しみに。

 

2019.11.21
12/18発売「ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX」 初回限定版収録
頓宮恭子×島津冴子インタビューを一部先行公開!

12月18日に『ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX』として発売となります。
TVシリーズ・劇場映画・FLASHを含むOVAシリーズと、映像作品を全て集約した収録内容はもちろん、初回限定版では美麗版権イラスト集&新規収録の関係者インタビューを収めた100Pに及ぶブックレット「WWWA公式プレミアムファイル」も見どころのひとつ。
今回はその中から、TVシリーズ・劇場映画などでケイとユリを演じた、頓宮恭子さんと島津冴子さんのインタビューの一部を先行公開いたします!


―まずキャスティングされる前のオーディションについて、スタッフから証言がとれなかったのですが、そもそもオーディションはあったのでしょうか?

 

頓宮:オーディションは受けたはずだけれど、具体的なことは覚えていないのです。

 

島津:当時の手帳を確認したら、3月にオーディションと書いてありました。
      実際はもう決まっていたみたいで、最終的にふたりで演じてみる最終確認のような感じでした。

 

頓宮:(島津に)それ、セントラルスタジオでの?

 

島津:そうそう。声優はわたしたちだけ。高千穂先生がいらして、

   そのときに花粉症と言っていらしたのを覚えていたから、

   きっと3月だなと思って、当時の手帳を調べたの。

 

頓官:えっ?高千穂先生、オーディションにいらしていた?

 

島津:いらしていたじゃない!終わったあと、みんなで一緒にお茶を飲みに行ったでしょ!

 

頓宮:ほぉ~ぉ、そうだった!

 

島津:でも、その前に個別のオーディションがあったのかどうか、わたしも覚えていないの。手帳にも記録が無くて。

 

頓宮:凄いわ(笑)十分覚えている。

 

(中略)

 

島津:TVシリーズをこの機会に見直してるんですけど、私たちのコンビネーションが絶妙で。

   自分で言うのもなんですけど(笑)最高の二人を選んでくださったと!

   収録しているとき、ユリとケイの会話が、す~っごく楽しかった!

 

頓宮:そうね。うん。楽しかった!

 

島津:頓宮さんは、それまで少年役が多かったのでしょ?

 

頓宮:うん。多かったわ。というかケイみたいなキレイ系なキャラをやるのは初めてだった(笑)

 

島津:頓宮さんは自然に姉御肌で、そのままでした。

 

頓宮:ははははは(笑) そのまま?

 

島津:いえ、そんなおかしな意味じゃなくて(笑)

 

頓宮:ケイは見た目はきれいだけれど、しゃべると女の子より少年に近い感じだったので、

   それほど意識して作り込んだわけではないの。

 

島津:わたしは、「ダーティペア」より前に千葉耕市さんとご緒させていただいたことがなかったの。

 

頓宮:わたしは千葉さんの生徒だったの。

 

島津:ええっ!?いいんだ!(笑)羨ましい!

 

頓宮:東京アナウンス学院で教えていただいていたのよ。でも卒業してから何年も使っていただけなくて。   だから「ダーティペア」で初めて使っていただくことができて、とっても嬉しかったのよ。

 

 

 

2人だからこそ語れる当時の秘蔵エピソードの続きは、ぜひCOMPLETE Blu-ray BOX 初回限定版でチェックしてください!
さらに頓宮恭子さんと島津冴子さんの掛け合いは、オーディオコメンタリーとしても収録!こちらもぜひお楽しみに。

 

2019.10.11
「サンライズフェスティバル2019風月 ダーティペア上映イベント」レポート&ユリ役 島津冴子さんコメントを公開!

 

 

 2019年9月20日(金)、「サンライズフェスティバル2019風月」内にて、テアトル新宿でアニメ「ダーティペア」の上映会が行われ、ゲストとして、TVシリーズでユリ役を演じた島津冴子さんが登壇しました。
トークショーでは、収録当時の秘話や、Blu-ray化に際してのコメンタリー収録でケイ役・頓宮恭子さんと再会した際のエピソードなどが明かされました。またWEBサイト・SNSで作品ファンから募集した質問に答えたり、当時のセリフを再現する一幕もあり、作品ファンにとって大変貴重な時間となりました。

 

イベント終了後、島津冴子さんにお話をうかがいました。

 

Q イベントに出演されてのご感想をお願いいたします。

A 最初から最後まで緊張していましたが、楽しかったです。
ステージで皆さんとお話ししているうちに、ますます当時を思い出すことができました。
ありがとうございました。


Q 「ダーティペア」Blu-ray化についてはいかがですか。

AついにBlu-ray化!すごいですね。
ブックレットの原稿を見せていただいたのですが、表に出ていない話ばかりで、私も知らないことがたくさん載っていて、ファンの方にとってとても貴重なものだと思います。このような機会があって、私も嬉しいです。すごいじゃんユリちゃん!
これまで、ビデオ版、DVD版と、ずっと買ってきてくださった方が沢山いらっしゃると思うのですが、皆さんのおかげで、こうしてBlu-rayまで辿り着くことができました。
頓宮さんともお会いする度にこのお話になるのですが、ずっと忘れないでいてくださっているのだと思うと、本当にありがたいです。

これからも、ダーティペアを応援し続けていただけたら嬉しいです。
そして次回作を、期待はせず希望は持っておこうと思いますので…!
ともに歩んでいきましょう。

 

 

なお、このトークショーの模様は、DVDとなって『ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX』のAmazon限定特典となります!詳しい内容はぜひこちらでチェックしてください。

 

©高千穂&スタジオぬえ・サンライズ

2019.08.22
7月27日(土)第58回日本SF大会 Sci-con「ダーティペア40周年」イベントレポート

7月27日(土)第58回日本SF大会 Sci-conに於いて「ダーティペア40周年」企画として、

HDリマスター版TVアニメ本編の上映&原作者の高千穂遙さん、原作担当編集者の阿部毅さんとのトークショーが行われました。今回はそのトークショーの一部、阿部さんの発言に焦点を当て初公開!

 

Q.1985年の7月OAに合わせるように原作の2巻目『ダーティペアの大逆転』が発売になっていますが、当時はアニメとの連携を意識されていたのでしょうか?

 

A.雑誌の担当と、書籍を作る担当が当時は別だったので、営業的な面も含めて、よくわかりません。でも、「アニメ化が決まったのに、原作が文庫1冊しかないのはちょっとさびしいんじゃない」というような話から、連載をしてもらうことになったというのは後に聞きました。

その連載の原稿を、編集部に配属されたばかりばかりの自分がとりにいくことになろうとは(笑)。

まだあのころはFAXがなかったので、高千穂さんのご自宅に原稿をもらいに行くんですけど、今日は2枚だけとか(笑)。

駅からちょっと距離があってそういう意味でもたいへんでした(笑)。

 

Q.書籍と連載の担当が別というと、安彦さんのイラストはどちらが担当されてたのでしょうか?

A.連載中のイラストはわたしが。書籍のカバーは書籍担当がもらってました。

ただ、そのイラストも原稿がない状態で発注するので、わたしが高千穂さんから「今回はこういう話になるよ」という話を聞いて、安彦さんに口頭でこれこれこーゆーシーンのイラストをお願いしますと伝えてました。

ほんとは出来上がった原稿を読んでから、描いていただくのがいいんですが(笑)原稿がなかなかあがってこないもので(笑)

安彦さんのご自宅もまた駅から遠くて、だいぶ歩きました(笑)

安彦さんは、絵のアングルひとつとっても、大変に独創的で、高千穂さんから「こっちにはこれこれこーゆー人が立っていて、こっちにはこう」というような情報を伝えると、そうくるか!という絵があがってくるんです。あれはほんとにすごいなと思いました。

「ダーティペア」は出せば売れるので、編集部としては書いて書いてとお願いするんですが、なかなかその気になっていただけない、それがもう40年続いてるんですから、凄いですね(笑)高千穂さんが新作を書く気にならないと、スタートしない、そういう企画です。

40年経った今は、全部原稿が出来上がってから安彦さんに発注してます(笑)

 

 

Q.アニメの放送は原作の売り上げに影響したんでしょうか?

A.『大冒険』は文庫で発売したんですけど、『大逆転』は四六の並製のいわゆる単行本で出たんですよ。これは、かなり売れました。アニメの影響があったのかどうかは、正直よくわからないんですが、年間売上ベスト10に入るようなベストセラーにはなりました。

ただ、タイアップもあまりやってないので、それがアニメの影響かどうかは、なんとも言えません。

 

Q.大変な連載について

A.『クラッシャージョウ』と『ダーティペア』で同じエピソードを別々の視点から描く、しかもそれを月刊誌2誌で別々に連載するという無茶をやってまして、あれはけっこう大変でしたね。

 

高千穂「あれは、ほんとに大変だった。片側は一人称、もう一方は三人称ってのも大変さに拍車をかけた。整合性をとるのに苦労した」

 

ひとつの作品があって、あとから整合性をみながらもう一作別視点でというならまだしも、同時進行で連載してたって、どうかしてますね。原稿をとる方も大変でした。

 

 

Q.ダーティペアFLASHはどのようにスタートしたのですか?

A.FLASHは高千穂さんから電話があって『「るりあ046」という漫画家に絵を描くように言え』と急に(笑)

誰それ?人間の名前?というところから始まって、ツテを辿って、マンガの出版社に連絡を入れて、実現に漕ぎ着けたんですけれど、高千穂さん以上に大変な人でした(笑)スケジュール的に。

 


ゲストの皆様・来場された皆様、ありがとうございました!

それでは次回の更新をお楽しみに!!