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音楽制作の裏話も!カウボーイビバップ極上音響上映「音ビバップ」イベントレポート

2018年08月20日イベント
カウボーイビバップカウボーイビバップ 天国の扉

 

8月18日(土)に東京・立川シネマシティのシネマ・ツーにて、「カウボーイビバップ極上音響上映」のTV版オールナイト上映第1夜「音ビバップ」が開催されました。


今回の「音ビバップ」では、第1話から第13話が上映されたほか、上映前にトークショーも実施。トークショーは、ゲストに渡辺信一郎監督とフライングドッグの佐々木史朗さんが登壇し、本作でアニメ脚本デビューをした佐藤 大さんが司会を務め、気心の知れたチームによる当時の裏話満載のトークショーとなりました。

 

▲左から佐藤さん、渡辺監督、佐々木さん。


トークショーの冒頭には、8月13日(月)に惜しまれつつ永眠された石塚運昇さん(ジェット役)の話題に。湿っぽいことが嫌いで大のお酒好きだった石塚さんの冥福を祈り、献杯が行われました。
訃報の発表が本イベント開催の前日だったということもあり、渡辺監督は「心の整理がつかない」と戸惑いながら、石塚さんとのエピソードを振り返ります。
出会いは、カウボーイビバップ以前に制作された『マクロスプラス』にて。アニメの音に対して「もっと良くしたい!」という情熱を持っていた渡辺監督に対し、三間雅文音響監督がキャスト候補として真っ先に挙げたのが石塚さん。渡辺監督は、石塚さんの、当時のアニメ界では他にあまりいないタイプの芝居(演技)に感銘を受け、カウボーイビバップを始める際にはジェット役を決め打ちでお願いすることにした、とのこと。監督としては、一度自分の作品のメインで演じてもらうと、そのキャストとキャラクターの結びつきが強くなりすぎてしまい、他の作品では使えなくなってしまうものの、石塚さんだけが例外で、「“人生が出てしまっている声”が好きで、もっともっと出て欲しかった」と、別れを惜しみます。
また、アニメには芝居のトーンを決定づける人が作品ごとに一人おり、マクロスプラスでは石塚さんでしたが、カウボーイビバップでは石塚さん、山寺宏一さん(スパイク役)、林原めぐみさん(フェイ役)の3人のせめぎ合いが行われていた、との秘話も明かされました。

 

▲石塚さんのご冥福を祈り、献杯が行われました。


トークテーマの「音」から、音楽の話題も。オープニング曲「Tank!」は、当初は劇伴(BGM)として作られた曲でしたが、渡辺監督の判断でオープニングに採用され、今ではスタンダードナンバーとも言える1曲になりました。
音楽を担当した菅野よう子さんは、伝説的なレコーディングエンジニアであるルディ・ヴァン・ゲルダーさんを起用したほか、オーダーにない曲を次から次へと制作。監督も「こんな曲作ってきやがって!絶対に使ってやる!」と闘志を燃やし、音楽にインスパイアされて劇中のシーンを作ったり、また逆に映像にインスパイアされた曲が作られたりと、まるでジャズのセッションのようなやりとりが展開されていたとのこと。
フライングドッグの佐々木さんは、その「何をやっても良い」ような音楽制作を振り返り、あの時にしかできない作品だったと語り、司会の佐藤さんも、本作で初めてアニメ制作に携わって「こんなことができるならアニメを仕事にしていこう!と思ったら、こんな作り方をしているのはビバップだけだった」と振り返っていました。


最後に、渡辺監督がカウボーイビバップを作って一番嬉しかったこととして、完成した第1話をキャストに試写した際、石塚さんに「すごいね。これは映画だよ」と言われたことを挙げていました。
大盛り上がりとなったトークショーの後は、綿密に調整された大音量にてTV版第1話から第13話が上映されました。



カウボーイビバップ極上音響上映は、8月25日(土)にTV版オールナイト上映第2夜「画ビバップ」(チケット完売)が開催されるほか、8月25日(土)から31日(金)までの1週間限定で『劇場版 カウボーイビバップ 天国の扉』も上映されます。
さらに、9月にはTV版オールナイト上映会の追加上映が決定しました。詳細は、アニメ公式サイトおよびシネマシティ公式サイトをご覧ください。