#Sere 20「ゆずれないもの」
日常的に勃発する暴力行為。その光景を前に、イクミは更なる力で彼らを制圧しようとする。矛盾に気付かぬまま、彼の心は暴走していく…。独りになってしまったあおいは、昴治たちの部屋に身を寄せることになった。何事もなかったように明るく振る舞うあおい。だが、その心は切迫していた。過去を辿りながら、その際に自分が見過ごしてきたものを再確認し、そして「なぜ自分がここにいるのだろう?」とあおいは現状にひれ伏す。リフト艦で作業をする昴治は、イクミの「蓬仙は守れ」という言葉を思い出していた。その直後、訊ねてきたファイナは、自分が傷付いていることを昴治に告げる。過去を断ち切るように迫ってくるファイナ。感覚のズレを感じていた昴治は「わからないんだ、君が」と呟き、別れを告げようとする。
そんな中、フェレットのラーフラは、獰猛な歯であおいの弁当を食べていた。それは、まるでファイナ自身を投影したかのような光景だった。一方、カレンの言葉がきっかけで、あおいの様子を見にきた祐希は事態に驚く。静まりかえった艦内に、只1人、あおいが座っていたのだ。祐希はあおいに自分と一緒に来いと言う。駆けつけた昴治を見て、尚もあおいは「過去の3人」を夢見るが、更に混線した現状では叶うはずもなかった。士官部屋ではこずえが、歪み行く人々に涙を流していた。そのとき、イクミはリヴァイアスには「歯止め」が必要なのだと思い至る。そしてイクミは、半ば狂気に満ちた目でヴァイタル・ガーダーを占拠し、全艦に放送を始めた。一切の暴力行為を禁じ、それが破られた際にはリヴァイアスを攻撃すると…。
脚本:黒田洋介 作画監督:ウエダヨウイチ 画コンテ・演出:大橋誉志光
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